【メルボルン時事】29日に当地で行われた全豪オープンテニスの男子シングルス決勝は、5時間53分の死闘の末にノバク・ジョコビッチ(セルビア)がラファエル・ナダル(スペイン)を破って連覇を果たした。世界ランキング1位が2位の挑戦者を退けたが、力の差はほとんど感じさせない内容。四大大会の決勝としては、1988年全米の4時間54分を越える史上最長試合となった。鮮やかなラリーは、日付が替わった深夜まで観衆をくぎ付けにした。
「6時間近くも戦ったなんて信じられない。歴史の一部となれて誇りに思う」とジョコビッチ。疲労蓄積で最終セットは膝を落とす場面も見せたが、並外れた心身のスタミナで盛り返した。「自分はプロ。こんな試合に挑むためにハードな練習をしている」ときっぱり。
四大大会で唯一決勝に出たことのない5月の全仏に向けても、王者は自信を深めた。「最低でもパリでは決勝に出たいし、そうできる準備はできている」。生涯グランドスラムやロンドン五輪制覇を今年の目標に掲げ、力強い話しぶりだった。
一方敗れたナダルは「素晴らしいショーになった。結果は受け入れる以外ない」と潔い。昨年のウィンブルドン、全米の決勝に続きライバルに屈したが、後のない第4セットで踏みとどまるなど手応えは確かだった。「ノバクに対して最近は優位ではなかったが、きょうのプレーは彼に劣るレベルではなかった。負けてうれしくはないが、限界ぎりぎりの苦しさをエンジョイすることができた」と胸を張った。
試合をビデオで見直すかと問われ、「長過ぎる。ハイライト映像だけだね」とナダル。大熱戦を終えて爽やかに笑った。